食べるだけでもカロリー消費?食事誘発性熱産生の仕組み
2026/09/11
食べるだけでもカロリー消費?食事誘発性熱産生の仕組み
「何もしなくても身体はエネルギーを使っている」
これは基礎代謝としてよく知られています。
では、食事をすること自体にもエネルギーが必要だということをご存じでしょうか?
食事をしたあと、身体は食べ物を消化・吸収し、身体の中で利用できる形に変えていきます。
この過程でもエネルギーが消費されます。
これを**食事誘発性熱産生(DIT:Diet-Induced Thermogenesis)**といいます。
食べたあと身体では何が起こっている?
食事をすると、胃や腸で食べ物を消化し、栄養素を吸収します。
しかし、そこで終わりではありません。
吸収された栄養素を分解したり、身体に必要な物質へ作り替えたり、蓄えたりするためにもエネルギーが
必要です。
そのため食事のあとには、一時的にエネルギー消費量が増えます。
食後に身体が少し温かく感じることがありますが、こうした食後の熱産生にもDITが関係しています。
栄養素によって使われるエネルギーが違う
興味深いのは、何を食べるかによってDITの大きさが違うことです。
一般的な目安として、摂取した栄養素のエネルギーに対して、
タンパク質:約20~30%
糖質:約5~10%
脂質:約0~3%
が食事誘発性熱産生として使われるとされています。
例えばタンパク質を100kcal摂ったら、そのまま20~30kcal痩せるという意味ではありません。
あくまでも、消化・吸収・代謝などに必要となるエネルギーの割合が、タンパク質では比較的大きいと
いうことです。
◆だからタンパク質を食べれば痩せる?
ここも注意したいところです。
確かにタンパク質は、糖質や脂質と比べてDITが大きい栄養素です。
さらに筋肉など身体の組織を作る材料にもなるため、40代以降の食生活では意識したい栄養素です。
しかし、
「タンパク質をたくさん食べれば、それだけで脂肪が燃えて痩せる」
わけではありません。
体重や体脂肪の変化には、一日の食事全体や活動量など、さまざまな要素が関係します。
DITだけを大きくしようとするのではなく、食事全体を整える中でタンパク質を適切に摂ると考えましょう。
◆「食べないほど痩せる」と考えないことも大切
ダイエットを始めると、
「朝食を抜こう」
「昼はできるだけ少なくしよう」
「とにかくカロリーを減らそう」
となってしまう方もいます。
もちろん、食べ過ぎを見直すことは大切です。
しかし、食事は単なる「摂取カロリー」ではありません。
身体を維持するために必要なタンパク質やビタミン、ミネラルなどを摂る大切な機会でもあります。
40代、50代、60代のダイエットでは、体重を減らすことだけに集中して筋肉まで減らしてしまわないことも意識したいところです。
◆代謝は一つの仕組みだけで決まらない
「代謝」というと基礎代謝ばかり注目されますが、私たちの一日のエネルギー消費には、
基礎代謝
身体活動による消費
食事誘発性熱産生
などがあります。
つまり身体は、寝ているときも、歩いているときも、そして食事をしたあとにもエネルギーを使っている
のです。
だからといって「食べれば食べるほど消費量が増えて痩せる」ということではありません。
大切なのは、
必要な栄養を摂ること。
身体を動かすこと。
筋肉を維持すること。
食べ過ぎないこと。
一つの方法だけに頼らず、身体全体の仕組みを知ったうえで毎日の食事を整えていく。
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