アルコールの代謝は何が優先?飲酒後の身体の仕組みを解説
2026/09/15
アルコールの代謝は何が優先?飲酒後の身体の仕組みを解説
「お酒を飲むと太りやすい」
ダイエット中によく聞く言葉ですが、アルコールを飲んだから、そのまま全部が体脂肪になる
わけではありません。
では、ビールやワインなどを飲んだとき、身体の中では何が起きているのでしょうか。
ポイントになるのが、アルコールの代謝が優先されるという身体の仕組みです。
◆アルコールはまず胃や小腸から吸収される
飲んだアルコールは胃や小腸から吸収され、血液を通って全身へ運ばれます。
そして、その多くを処理する中心的な臓器が肝臓です。
アルコールは身体に蓄えておいて後から利用する栄養素ではないため、身体は入ってきた
アルコールの処理を優先します。
ここが、糖質や脂質などとは少し違うところです。
◆肝臓では「アルコール→アセトアルデヒド→酢酸」へ
肝臓に運ばれたアルコールは、主に次のように代謝されます。
アルコール
↓
アセトアルデヒド
↓
酢酸
まずアルコール脱水素酵素(ADH)などの働きによって、アセトアルデヒドに変わります。
アセトアルデヒドは毒性があり、顔が赤くなる、動悸、吐き気、頭痛など、飲酒時の不快な症状にも
関係する物質です。
その後、アルデヒド脱水素酵素(ALDH)などによって酢酸へ変換され、最終的にはエネルギー
として利用されます。
アルコールの分解能力には個人差があり、特にアセトアルデヒドを処理する能力には遺伝的な
違いもあります。
◆なぜアルコールの代謝が優先されるの?
普段、身体は食事から摂った糖質や脂質などを利用してエネルギーをつくっています。
ところがアルコールが入ってくると、身体はその処理を優先します。
アルコールそのものも1gあたり約7kcalのエネルギーを持っています。
そのため飲酒中は、
「アルコールも飲んだけれど、いつも通り脂肪もどんどん燃やしている」
とは考えない方がよいでしょう。
アルコールの酸化が増えると、脂質の酸化が抑えられることが研究でも確認されています。
◆「お酒よりおつまみが太る」だけでもない
ここで注意したいのが、
「アルコールはエンプティカロリーだから、おつまみさえ気をつければ太らない」
という考え方です。
アルコールにもエネルギーがあります。
さらに飲酒中はアルコールの処理が優先されるため、一緒に食べる食事まで含めて考えることが
大切です。
唐揚げ、ポテト、締めのラーメンなどが重なれば、当然一日の摂取エネルギーも増えやすく
なります。
つまり、
アルコールのエネルギー+一緒に食べるもの+飲酒による食行動の変化
まで含めて考える必要があります。
飲んだ翌日に体重が増えても、全部が脂肪とは限らない
「昨日飲んだら、今朝1kg増えていた!」
こんな経験がある方もいると思います。
でも、一晩で増えた体重がすべて体脂肪になったとは限りません。
飲酒時には塩分の多い料理を食べたり、炭水化物を多く摂ったりすることもあります。
身体の水分量や胃腸に残っている内容物などによっても、短期間の体重は変動します。
翌朝の数字だけを見て、
「昨日のお酒が全部脂肪になった」
と考える必要はありません。
◆ダイエット中はお酒をやめなければいけない?
ここも「絶対に飲んではいけない」と考える必要はないと思います。
ただし、
「糖質ゼロのお酒だから何杯飲んでも大丈夫」
「食事を抜いて、その分お酒を飲もう」
という考え方はおすすめできません。
ダイエット中に飲むのであれば、量や頻度だけでなく、一緒に何を食べるかにも目を向けたい
ところです。
また、厚生労働省は飲酒量が少ないほど飲酒によるリスクは少なくなるという報告があることを示し、
純アルコール量を把握することなどを勧めています。
健康面では「この量までなら誰でも安全」という線引きでは考えないことも大切です。
★それ、太る原因です!ダイエット中に見直したい2つのNGドリンク【前編】 詳しくはこちら→
◆「飲む・飲まない」だけではなく、身体の仕組みを知る
40代・50代・60代になると、
「若い頃と同じように飲んでいるのに体重が気になる」
という方もいらっしゃいます。
そんなとき、ただお酒を悪者にするのではなく、
飲んだアルコールはどう処理されるのか。
そのとき脂質の利用はどうなるのか。
一緒に何を食べているのか。
まで考えてみると、食生活を見直すポイントが見つけやすくなります。
健康瘦身研究所では、好きなものをすべて我慢するのではなく、身体の仕組みを知ったうえで、
自分の生活の中で続けられる方法を見つけることを大切にしています。
お酒を楽しむ方も、「飲んだら終わり」ではありません。
飲み方や食べ方まで含めて、上手に付き合っていきましょう。

